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インプラント100時間コース⑨ 9/11:『長期安定性を考慮した包括的治療・上顎洞へのアプローチ』

 2022年9月11日(日)、NPO法人埼玉インプラント研究会主催の(公社)日本口腔インプラント学会認定講習会(インプラント100時間コース)9日目に、赤嶺と多田が参加しました。9日目となる今回は、高田尚美先生(NPO法人埼玉インプラント研究会副会長)による治療計画から始まる長期安定を考慮した包括的インプラント治療に関する講義と、木村智憲先生(南浦和開業木村歯科医院院長)による上顎洞へのアプローチに関する講義を行いました。

 

 高田尚美先生の講義では、インプラントの感染のリスクを下げるための歯周病、力のリスクをコントロールするための咬合・補綴・矯正、治療精度の向上のための顕微鏡、美しさにこだわる審美歯科これら全てを包括した歯科治療を通じて長期安定性について学びました。現在、インプラントの10年生存率は95%とも言われ、日本の約30%の歯科医院でインプラント治療が行われていると言われています。単純に「歯を失ったからインプラント治療をする」のではなく、歯を失った原因から始まり、長期安定性を考慮した包括的な歯科治療が求められるようになっています。今回は実際の症例を通して、長期安定性を左右する要因について理解を深めました。重要となるのは、インプラントをする前の口腔衛生状態の評価から始まり、そもそも本当にインプラント治療が第一選択なのか?その他の選択肢はどうなのか?患者さんの生活の背景を考えながら決定する必要があります。欠損補綴治療であるブリッジや義歯もその患者さんに適しているのであれば良好な結果を得られます。またインプラント単独ではなく、インプラントと義歯を組み合わせたインプラントオーバーデンチャー(IOD)も骨吸収が大きい症例では、咀嚼や審美といった意味では大変良い選択であると思います。

 

 木村智憲先生の講義は、上顎洞に特化した大変興味深い内容でした。特に上顎洞へアプローチする際(サイナスリフト)の診断について知識を深めました。上顎洞の解剖学から始まり、臨床的な評価法(自然孔と上顎洞の関係)について学びました。上顎洞内の健康を確認する方法として、自然孔の状態をCTを用いて確認する必要性を理解しまいた。また上顎臼歯部へのインプラント治療を難しくする要因として、上顎臼歯部の骨量不足が挙げられます。この骨量不足を解決するのが上顎洞底挙上術サイナスリフトです。このサイナスリフトを行う際に注意しなければならないのが、顎動脈の枝である後上歯槽動脈です。この後上歯槽動脈は上顎洞外側壁の内部、壁上、粘膜のいずれかを走行しています。トラブルになるのは、この血管が傷ついてしまった場合の止血法です。今回の講義ではそれぞれの止血法の手技についても確認することができました。

 

 今後さらに理解を深め、技術を高めて地域の皆様により良い歯科医療を提供できるよう努めていきます。次回は、京セラFINESIA インプラントの特徴と術式および模型実習の予定です。

 

 

【 2022年(公社)日本口腔インプラント学会認定講習会 】

インプラント100時間コース① 4/3:『インプラントの材料学

インプラント100時間コース② 4/24:『インプラントのリスクマネージメント・インプラント治療における適応拡大

インプラント100時間コース③ 5/8:『インプラントの解剖学

インプラント100時間コース④ 5/29:『インプラントのティッシュマネージメント

インプラント100時間コース⑤ 6/19:『CTとマイクロスコープの応用・メンテナンス

インプラント100時間コース⑥ 7/10:『トラブルシューティング・画像検査と診断

インプラント100時間コース⑦ 7/31:『口腔外科領域のインプラント・移植材を用いないサイナスリフト・ノーベルバイオケア実習

インプラント100時間コース⑧ 8/28:『下歯槽神経障害を避けるための診断と手術法(ナビゲーションシステム)・保険でできるインプラント治療』

インプラント100時間コース⑨ 9/11:『長期安定性を考慮した包括的治療・上顎洞へのアプローチ

インプラント100時間コース⑩ 10/16:『京セラFINESIAインプラントの特徴と術式および模型実習

 

 

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