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インプラント100時間コース① 4/3:『インプラントの材料学』

 2022年4月3日(日)、NPO法人埼玉インプラント研究会主催の(公社)日本口腔インプラント学会認定講習会(インプラント100時間コース)1日目に、赤嶺と多田が参加しました。この講習会は、1年間(100時間)を通して、インプラント治療の専門性を高めるために基礎医学から臨床スキルまで幅広い知識・技術を修得することを目的にしています。それぞれの分野のエキスパートからインプラントの基礎から最新の知見を学ぶ貴重な機会です。臨床の裏付けとなる基礎医学的知識の確立を目指し参加を決意しました。

 初日の今日は、宮崎隆先生(昭和大学歯学部特任教授、日本航空インプラント学会理事長)による「インプラントの材料学」に関する講義でした。歯科医師が材料を扱う場合に遵守すべき医薬品・医療機器等法(薬機法)から始まり、最新の超高透過性ジルコニアやチタンの表面性状まで様々な知識を学びました。

 口腔インプラントは体内のみで機能する装置(インプラント)ではなく、顎骨内から口腔へ(体内から体外へ)貫通して機能する経皮デバイスであり、常に感染のリスクに晒される特殊なインプラントです。この特殊なインプラントに対して、臨床的な術式や対応法も確かに臨床家である歯科医師には必要不可欠ですが、科学者としての歯科医師にはその裏付けとなる生理学・生化学・組織学・免疫学・解剖学といった基礎医学的な知識が求められます。

 

 当院でのインプラント治療は、ラフサーフェスで親水性になるよう表面加工が施されたチタン製のインプラント体を、CT上であらかじめ埋入位置を決めたガイデッドサージェリーにて埋入し、ジルコニアで作られた上部構造をスクリュー固定にてセットしています。臨床的に見れば、標準的なインプラント治療と考えますが、この裏付けとなる基礎医学的知識を考えると以下のような疑問が挙げられます。

 

「そもそもなぜインプラントにチタンを使用するのか?」

「なぜインプラントと骨は結合(オッセオインテグレーション)するのか?」

「より良いオッセオインテグレーションを得るためにはどのような表面性状のインプラントが良いのか?」

「どのような形態のインプラント体であれば感染リスクを下げられるのか?」

「インプラントの被せ物(上部構造)にはどのような材料が適切か?」

「より安全にインプラント体を埋入する術式はどのようなものか?」

「どのようなメンテナンスを行えば、長期間インプラントの健康を保てるのか?」

 

 これらの疑問に対して、多くの研究者が様々な実験を行い、日々新たな知見を得ています。我々臨床家はその知見から、その時もっとも良い結果が得られるであろう手技を選択します。今回の講義を通して、インプラントの材料学に関する基礎医学的知識を広く学ぶことができました。明日からの臨床にこれらの知識を活かし、より良いインプラント治療が行えるよう努めていきます。

 

 

 【 2022年(公社)日本口腔インプラント学会認定講習会 】

インプラント100時間コース① 4/3:『インプラントの材料学

インプラント100時間コース② 4/24:『インプラントのリスクマネージメント・インプラント治療における適応拡大

インプラント100時間コース③ 5/8:『インプラントの解剖学

インプラント100時間コース④ 5/29:『インプラントのティッシュマネージメント

インプラント100時間コース⑤ 6/19:『CTとマイクロスコープの応用・メンテナンス

インプラント100時間コース⑥ 7/10:『トラブルシューティング・画像検査と診断

インプラント100時間コース⑦ 7/31:『口腔外科領域のインプラント・移植材を用いないサイナスリフト・ノーベルバイオケア実習

 

 

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