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コンポジットレジン修復の発想転換 第19期 ①②

 2022年10月29-30日に浜松の田代歯科医院で行われたJT Concept Master Course コンポジットレジン修復の発想転換 2022-2023 第19期の1日目および2日目に赤嶺と多田が参加してきました。

 JT Conceptとは、従来の治療方法にとらわれず、近年発達した接着技術を応用し、歯質を削除しないもしくは削除を最小限にとどめた低侵襲を優先し、かつ患者さんの口腔内の問題解決を効率的に目指すことで、患者さんの「生活の質の保障」と「治療満足度の向上」を目指すものです。簡単に言うと、接着技術を応用し、歯をなるべく削ることなく短期間で患者さんの問題を解決する方法です。

 初回となる今回は、JT Conceptの生みの親である田上順次教授(東京医科歯科大学名誉教授)と田代浩史先生(東京医科歯科大学臨床教授)、岸川隆蔵(東京医科歯科大学臨床教授)の講義と牛の歯を用いた接着試験および1級窩洞への積層充填の実習を行いました。

 田上教授の講義では、JT Conceptの概念から始まり、最小限の切削を基本とするMIの概念、接着修復の基礎と臨床について学びました。正しい接着のためには、まずはしっかりと虫歯を除去することが基本となります。近年の研究結果から「虫歯を適切に除去する」方法を学びました。そもそもどこまでが虫歯なのか?どうやって虫歯を判断するのか?何を使って虫歯を除去するのか?科学的根拠を元に説明していただきました。やや専門的な話になりますが、麻酔をして歯が綺麗になるまで削ると実施は削りすぎていることになります。歯の中にある象牙質という部位には象牙細管という細い管がたくさんあり、その中に細菌が侵入し、酸を出すことで虫歯となります。虫歯の浅いところには細菌がたくさんいますが、虫歯の深いところには細菌ではなく細菌が作り出した酸が侵入しています。この酸が侵入している部位は確かに柔らかくなっていますが、細菌が侵入していないので削る必要はありません。細菌がいなくなればまた硬くなっていきます。そのため、分子量の大きい色素が含まれたう蝕検知液を用いて、細菌が侵入している部位のみを削り出し、削りかすの状態や色、硬さ、痛覚等を総合的に判断しながら虫歯を削ることが適切な虫歯除去となります。また闇雲に全ての虫歯を取り切ることだけが正義ではありません。歯髄を保護するためにはあえて虫歯を取り切らず、接着技術により虫歯をコンポジットレジンという材料を封鎖すること(シールドレストレーション)で、治療することもあります。神経を保存することにも接着技術が応用されています。さらにコンポジットレジンの適切な接着操作についても学びまいた。現在の接着の強さは凄まじく、エナメル質と象牙質の接合部よりもコンポジットレジンと象牙質の接着の方が強いことがわかっています。そのため理想的な条件では(臨床では必ず完璧とは言えないが)、歯の根しかないような状態からでも、接着の技術により歯を作ることが可能となっています。このJT Conceptにより歯を大きく削ることなく、適切なタイミングで治療介入し、短期間で患者さんに痛みを与えることなく治療ができればより多くの患者さんに貢献できると考えます。

 

 田代先生と岸川先生の講義では、JT Conceptを応用したコンポジットレジン修復の臨床の実際について学びました。金属を使わない奥歯のコンポジットレジン修復から始まり、テトラサイクリンによる着色歯の治療、破折した歯の接着修復。さらにはほぼ根しかない状態から歯を作るダイレクトクラウン修復、歯がない場所に歯を作るダイレクトブリッジ修復の臨床例について確認しました。今回は、基礎となる大臼歯のメタルフリー治療である咬合面のコンポジットレジン修復を実際の材料を用いた実習を行いました。今回の知識と技術を活かして、当院でも積極的にJT Conceptを用いたダイレクトボンディングを臨床に取り入れていきます。

 

 

2022/10/29-30『コンポジットレジン修復の発想転換 第19期 ①②

2022/11/26-27『コンポジットレジン修復の発想転換 第19期 ③④

2022/12/18-19『コンポジットレジン修復の発想転換 第19期 ⑤⑥

 

 

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