口腔外科

当院の口腔外科処置

  • 横向きに生えた親不知の抜歯
  • 歯の移植・再植
  • 歯根端切除術
  • フラップ手術に代表される歯周外科処置
  • 歯冠長延長術(クラウンレングスニング)
  • インプラント埋入手術
  • 骨を作るソケットリフト、スプリットコントロール

  などです。

 

 

 当院では、横向きに生えた親不知の抜歯だけでなく、歯の移植・再植や外科的な根の治療(歯根端切除術)、フラップ手術に代表される歯周外科処置、インプラント治療やインプラント入れるスペースを確保するために骨を作るソケットリフト、スプリットコントロールなど幅広い外科処置をを行っています。また口腔がんなど粘膜疾患のチェックや咬合から考えた顎関節症の治療なども行っています。

 

 当院では、正確な外科処置を行うために歯科用CTを設置しています。神経近くに存在する深い親不知の抜歯やインプラント治療、通常の根管治療で治癒しない根の先の病気などでその威力を発揮します。また、血液をサラサラにするお薬や骨を強くするお薬など、口腔外科処置との相性が良くないお薬を飲んでいたり、心臓病や糖尿病、膠原病といった感染に注意する必要がある場合は、お口の状態だけでなく全身の状態も考慮し、必要に応じて医科の先生方と連携しながら安全に処置を進めていきます。

顎関節症

 単純に「顎の関節から音が鳴る=顎関節症」ではありません。顎関節症とは様々な症状を含む広い意味での診断名であり、実際に診断をする場合は以下のような病態分類を行います。

 ① 顎関節を動かす筋肉に障害がある場合

 ② 顎の関節周りにある靭帯に障害がある場合

 ③ 顎の関節にあるクッション(関節円板)に障害がある場合

 ④ 顎の関節そのものが変形してしまった場合

 病態分類を行った上で、治療法の選択します。さらに当院では咬合から考えた顎関節症の治療も行っております。歯ぎしりや食いしばり、その結果として生じる頭痛や肩こり等でお悩みの方は、顎関節症および咬み合わせの診査をお勧めしています。

骨粗鬆症のお薬と抜歯について

 週に1度もしくは月に1度、朝起きてすぐにコップ一杯のお水と共に飲む骨のお薬があります。ビスフォスフォネート製剤(以下BP製剤)と呼ばれるお薬で、骨粗鬆症の患者さんだけでなく骨転移を有するがん患者さんにも広く使われています。もしかすると「骨のお薬(BP製剤)を服用しているので抜歯ができない。」と言われた方がいらっしゃるかもしれません。では、本当にBP製剤を服用していると抜歯ができないのでしょうか?

 

 2003年にBP製剤を服用中の患者さんに難治性の顎骨壊死(BP-Related Osteonecrosis of the Jaw:BRONJ)が生じたことが初めて報告されました。当時はBRONJのメカニズムがわからず臨床現場では様々な混乱が生じました。しかし現在では口腔管理を適切に行い、歯ぐきや根の先の病変を治療していればBRONJの発生を予防できることが明らかとなりつつあります。現在ではBP製剤とは違う機序の骨治療薬であるデノスマブでもBRONJ同様の病態が生じることがわかり、BP製剤とデノスマブを合わせてARONJ(Anti-resorptive agents-related ONJ)という名称が使われています。

 

・ARONJの発生頻度はどれくらいなのでしょうか?

 骨粗鬆症の患者さんで飲み薬のBP製剤を服用している方は10万人年あたり1.04〜69人、注射で投与されている方は10万人年あたり0〜90人とされています。がん患者さんでは骨粗鬆症患者さんよりも発生頻度は高いがそれでも2%以下と報告されています。

 

・ARONJのリスク因子にはどのようなものがあるでしょうか?

 局所的には抜歯が有名ですが、インプラントを含めた外科的な処置だけではなく、合わない義歯を使用していたり口腔衛生状態が悪いことでもBRONJ発生のリスクと考えられています。逆に考えると、抜歯が必要になる状態を予防するために口腔環境を整えたり、適切な義歯を使用することでリスクを下げることができると考えます。また通常の根管治療や矯正治療は顎骨壊死のリスク因子とはされていません。服用するBP製剤の種類によってもリスクは違います。また生活習慣や持病、併用薬もリスク因子となります。

 

・骨吸収抑制薬と歯科治療

 4年以上BP製剤の治療を受けている患者さんへ侵襲的歯科治療を行う場合、歯科医師と主治医が休薬を協議する場合もありますが、BRONJ発生のリスクと骨折予防の利益について慎重に検討する必要があります。がん患者さんの場合は基本休薬しません。

 BRONJを予防する最も大切なことは医師と歯科医師の連携であると考えられています。歯科医師はARONJに関する知識を深め、過度に顎骨壊死を恐れることなく歯科治療前に感染予防を行った上で適切な治療を行い、患者さんのQOLを高める必要があります。

 

 今後もARONJに関する知見を得るよう努めていきます。

 

【参考】骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の病態と管理:顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2016

 

 

2019 9/29:ブログ『東京医科歯科大学口腔外科セミナー