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東京医科歯科大学歯内療法講演会「賢い歯内療法」に参加しました!

 2020年2月9日(日)に東京医科歯科大学で行われた講演会「賢い歯内療法 講師:澤田則宏先生(澤田デンタルオフィス、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科非常勤講師)、八幡祥生先生(東北大学大学院歯学研究科歯科保存学分野助教)」に参加しました。

 この講演会を通じて、歯科治療の基本の1つである歯内療法(根管治療)に関する最新の知見を得ることができました。歯科も日進月歩で研究が進み新たなエビデンスが得られています。確かに歯内療法に限らず全ての処置のゴールドスタンダードは大きく変わらないかもしれません。しかし臨床現場では新たなエビデンスを活用し、より良い結果を得るために処置内容を改善していく必要があります。そのため臨床医は常にアンテナを張り新たな知識を得ることに加えて、その知識を臨床に落とし込めるようトレーニングを積むことが必須と考えます。変化を恐れず、明日からの臨床に今回の講演会の知識を活かしていきます。

 

 今回の講演会で特に勉強になったのは診査診断と根管形成、そして歯内療法と全身疾患の関係です。

① 診査診断

 問診から始まる診査診断は基本です。レントゲン写真で根の先に黒い透過像があるからと言って必ずしも治療の対象になるわけではありません。一度溶けた骨が治るのには1年前後かかることがあり、その透過像はもしかしたら治癒の途中かもしれないからです。また治療した歯に違和感があるからと言って治療がうまくいっていないわけではありません。瘢痕治癒と言って、いわゆるやけど後のケロイドに相当する治癒形態であるため違和感が残っていることがあります。痛みに関しても、非歯原性歯痛と言って歯そのものではなく、筋-筋膜性歯痛いわゆる筋肉痛のようなものが原因のこともあります。

 

② 根管形成(髄腔開拡、根管口明治、根管形成)

 教科書的な従来法と比較するとアクセスキャビティーは前歯部では唇側に、臼歯部では近心側に作ります。根尖孔の移動(Apical transportation)を最小限にするストレートラインアクセスを実現するためには歯髄腔の形態を考慮したアクセスキャビティーの形成が必要です。根管拡大時のファイリング操作も基本に立ち返ることがエンドの成功へと繋がります。やみくもにウォッチワインディングを行うのではなく、号数の小さいファイルを使いクラウンダウンとバランストフォース、プレカーブ、必要に応じてRCプレップを組み合わせて根管形成を行います。特に根尖孔付近ではファイルの破折を防ぐ目的でねじらずに押し出す操作で穿通させます。

 

③ 根管治療と全身疾患

 根尖部透過像があるからと言って治療するわけでなないと述べましたが、全身疾患との兼ね合いを考えると、もし仮に根尖部透過像が根尖病巣という慢性炎症であった場合そのまま放置していいのか?という疑問が残ります。今現時点ではこの疑問に対する正解はないようです。

 

 途中で文章が難しくなってしまい申し訳ありません。今後も新たな知見を得られるようスタッフ一同研鑽を積んでいきます。

 

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