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The Dawson Academy Japan 2020 TMD Patientsを受講しました!

 2020年1月25-26日の2日間にわたって、浦和の波多野歯科医院 Maxis Implant Institute で行われたドーソンアカデミージャパン特別講演Dr.Cobb TMDコース「顎関節症の診断と治療」を受講しました。このコースではアメリカの第一線で活躍するDawson AcademyのDr. Andrew Cobbにより、顎関節症の診断方法とその治療法について、咬合器にマウントした自分自身の歯列模型にスプリントを作製する実習を行いながら学びました。

 

 顎関節の運動、特に関節円板の回転・滑走運動を解剖学的に学ぶことから始まり、顎関節症が疑われる患者さんへの問診や顎運動の診査、CTやMRIの画像診断、ドップラー聴診等によって顎関節の状態を分類(Dawson分類、Piper分類)する方法を学びました。その分類の診断を元に行う治療の中でも特にスプリント療法について、実際にそのスプリントを作製することを通して理解しました。咬み合わせの調整には、通常は咬合紙という咬み合わせを記録する紙を使用するのですが、今回のコースでは咬合解析システムであるT.scan(東京歯材社)を用いて咬み合わせを調整しました。単に咬み合う場所を記録するだけの従来の方法とは違い、T.scanを用いることで咬む位置や強さを時間とともに記録できるため、より精密な咬合調整が可能なこと体験しました。

 講義中、特に驚いたのはDawson理論の診査の中に“気道”の評価が加えられていた点です。顎関節症といびきの関係性についての説明や気道の問題により自己免疫疾患や線維筋痛症、慢性疲労症候群への可能性が挙げられていました。適切な気道の評価を行うことで、小児矯正への介入や成人矯正の適切なゴールの設定などより良い治療結果を生み出せる可能性が高まったと考えれます。

 Dawson先生は歯科医師は咀嚼系全体の医師になるべきと言っていました。今回学んだ知識を用いて顎関節症の治療を進めていきます。また気道の評価も行うことで、今後は医院として睡眠時無呼吸症候群への対応や小児の咬合育成にも力を入れていきます。宜しくお願いします。

 

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