小児歯科

小児歯科の目的

  • カリエスフリーを目指すこと
  • 顎の成長をコントロールすること
  • 適切な乳歯から永久歯の交換を促すこと

 

 

 お子さまの虫歯治療は、お子さまの集中力を考慮し、処置そのものは5〜15分程度の短時間で行うことを心がけています。治療をしてもしなくても乳歯の80%が痛みなく脱落したという報告から、当院での処置は、特別な場合を除き麻酔は極力使用せず、歯ブラシが届く形に歯を研磨する程度にとどめます。その後、歯科衛生士と一緒に予防としてではなく、虫歯のコントロールとしてフッ素を使用しながら永久歯を受け入れる準備をしていきます。もし乳歯に虫歯があったとしても、適切な処置を行うことで、永久歯におけるカリエスフリーを目指します。

予防処置

 お子さまの予防処置では、シーラント処置とフッ素の使用をお勧めしています。シーラント処置はあらかじめ虫歯のリスクの高い歯の溝を埋めることにより高い予防効果を発揮します。仮に歯の溝に小さな虫歯があったとしてもシーラントによりしっかりと封鎖されていれば虫歯の進行が止まることがあると報告されています。またフッ素の使用は歯科医院での塗布だけでなく、普段の生活から使用していただけるようお子さまの年齢に合わせた使用法(フッ素ジェルやフッ素配合歯磨剤など)をお伝えしています。シーラントおよびフッ素の使用は、お子さまだけでなく成人でも高い予防効果を発揮します。

 

 実は、赤ちゃんは無菌状態で生まれてきます。では、虫歯菌はどこからやってくるのでしょうか?それは赤ちゃんと一緒に暮らす大人のお口からです。虫歯は感染症なのです。そのためお子さまだけでなく、お子さまと一緒に暮らす大人のお口を健康にすることが、お子さまのお口の健康に繋がります。生後19〜31か月は虫歯菌が定着しやすい期間(感染の窓)と考えられ、この時期の予防は特に効果的であると考えられます。当院では、乳歯が生え始める前のお子さまとご家族の皆さまが一緒になって予防をスタートすること(家族受診)をお勧めしています。

お子さまの定期検診の重要性

 お子さまを虫歯から守るためには、お子さまの仕上げ磨きをする保護者の方の予防知識(デンタルIQ)を高めることが重要であると考えています。例えば、1歳になるまでにお子さまの歯を毎日2回磨くとカリエスフリーを達成しやすいという報告や、生後1歳半過ぎのお子さまの前歯表側にプラークが存在すると3歳までに虫歯になるリスクが高くなるという報告、12歳までは保護者による仕上げ磨きが重要であるという報告などがあります。また歯ブラシだけでなく食事の摂り方でも虫歯のリスクが変化すると考えられます。食育の観点からも、健康なお口が健全な食生活さらには全身の健康に繋がると考えられます。お子さまの定期検診をする中でこのような予防知識や食育への知識を深めていただければ幸いです。

 

 お子さまのお口の中は大人と違い成長するにつれ大きく変化していきます。乳歯が生えたり抜けたり、大人の歯が生えてきたり。この変化の中で、虫歯になりやすい時期やその時の歯の状態で今後のリスクが予想できることがあります。例えば、以下のような報告があります。

 ・6歳:大人の歯(六歳臼歯=第一大臼歯や下顎中切歯)が生えてくる時期。永久歯は生え始めが虫歯になりやすい。

 ・8〜9歳:第一大臼歯と第二乳臼歯が接触するこの年齢でカリエスフリーを実現すると、その後2〜3年は虫歯のリスクが低い。

 ・12〜14歳:この年齢で隣接面カリエスが認められると、22歳までに新たな虫歯を発症するリスクが高い。

 ・15〜16歳:歯の萌出が完了し、隣接面が確立された後3〜4年は隣接面う蝕のリスクが高い。またこの年齢でカリエスフリーを実現すると、その後3年は虫歯リスクが低い。

 以上より、定期検診で単純に虫歯の有無をチェックするのではなく、このような年齢に合わせたチェックをすることにより、健康なお口を維持する方法について知識を深めていただければと思います。

お子さまの矯正治療

 当院では、定期検診を行いながらお子さまの虫歯や歯肉炎を予防するだけでなく、乳歯から永久歯への生え変わりや顎の成長も観察し、必要があれば乳歯の抜歯や矯正治療をご提案します。お子さまの矯正治療は、マウスピース型の「プレオルソ」を採用しています。このプレオルソの適応時期は一般的に3〜10歳と考えられています。お子さまの歯並びが気になる時はいつでもお気軽にご相談ください。